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Author:あるふぁ(と18号)
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| あるふぁ波 日記&創作小説&イラスト&メンタル&VIP |
| 勝手に公開 |
竜神の谷のネタらしいが、いいや載せちゃう。ハルニス(かえでの子)が主人公に「何で人が死ぬと悲しいのか」と聞かれて答えてるシーン。 ガキんときからカラクリとかいじくるの好きだったから、将来はそういう職業に就こうって考えてたんだよ。母さんもなんか知らないけど喜んでくれてさ、ゼンマイ式のおもちゃとかよく買ってくれてさ、俺が分解していい?って聞くと、あんたのなんだから好きにしなさいよって言ってくれてさ。 そんで分解してみるわけ。こういう仕組みなのかーって感心してさ、設計図とか書いて、自分で改造したりもしてさ。でも最初のころは分解しっぱなしで、組み立てることができなくなって、結局ゴミにしちゃったりもしたんだけど、母さんはそういう俺の馬鹿なとこも大目に見てくれてさ、家に負担がかからない程度にいろいろ買ってくれたんだよね。
でもさぁ、後で友達に聞いたんだけど、買ったばっかりのおもちゃを分解したりすると、普通の親は怒るんだってな。俺、知らなかったよそういうの。だって自分ちのルールとよそんちのルールって、子供のころはわかんないもんだろ?だから思ってたよりいい母親だったんだなーって、俺さ、大人になってから知ったんだよね。母さんが死んじゃってから知ったんだよ。しかも俺って、全然血のつながりとか無い養子だったのにさ。
ガキんときに母さんに向かって「本当の母親じゃないくせに命令するな!」とか言ったことあるんだわ。まぁ、母さんのことが嫌いだったとかそういうんじゃなくて、反抗期ってやつよ。自分が養子だってことはみんな知ってたし、俺だって知ってたし、母さんだって別に隠そうとしなかったし、今更何ほざいてんだよって感じなんだけど、なんだろな。親の愛情を試そうとするとかいうの?ちょっと不幸ぶってみたかったとか、そんな感じだったんだよな。たいてい物語の主人公って不幸な過去を背負ってたりするじゃん。あのノリだよ。
けどさ、母さんは俺にそんなこと言われても、別に悲しそうな顔も困った顔もしないの。ここは普通、涙ながらに「あんたと私は血のつながりはないけど、私は本当の子供だと思って愛してるのよ!」とか言う場面じゃん?そんで息子のほうは「お母さんごめんなさい!」って謝る場面じゃん?
けどうちの場合違ったんだよね。
「何言ってんの?あんた私の息子じゃない」と、こう言ってきたんだよね。 ここらへんの母さんのセリフはほんとにはっきり覚えてる。 「私は子供が欲しかったけど、産めなかったから他の人に産んでもらっただけよ。本当は私があんたを産むはずだったのよ?ただ他の人に産んでもらっただけ。だからあんたは私の本当の息子なの。間違いないの。私はあんたの本当の母親なの」 今考えるとかなり無理あるよな、このセリフ。どうやったらそんな芸当できるんですか!?って今なら突っ込める。 けど、なぜか納得しちゃったんだよ、当時の俺も。 「そうか。俺は本当は母さんから産まれるはずだったけど、母さんは病気で産めないから他の人から産まれたのか。それじゃ本当の親子なんだな」って納得してんの。単純すぎるだろ、当時の俺。
ああああああああああ。
もう。
なんでだろな。なんで人が死ぬのって悲しいんだろな。 母さんが死んだって聞かされたとき、俺メチャクチャ泣いちゃったんだよ。 そんで泣き疲れて寝ちゃうんだよな。そんで起きると、母さんがおはようーとか言って出てくるんじゃねぇかなーとか思うわけ。そんでちょっとだけ待ったりしちゃうんだよ。
しばらくぼーっとしててさ、でも朝飯食わねぇと腹減るだろ?だからのろのろ起きるわけよ。
そんでさ。たまに見ちゃうんだよ。何かって。髪の毛だよ。母さんの。普段は引き出しにしまっとくんだけどさ。 すげえきれいなの。10年経つのにつやつやしてんの。俺のおふくろコレだけになっちゃった。
親はさ、子供に「目に見えないものをくれる」ってよく言うじゃん。まあ金とかメシとか住むところとかじゃなくて、愛情ですよーってそういうことを言いたいんだろうけどさ、もっと簡単に言えるよな。一人暮らし経験するとわかるよ。あー、もらってた。たしかにもらってた。俺もらってたわー…って。
いってらっしゃいとおかえりなさい。見えないはずだよ。そういう言葉、確かにもらってたよ。
でもさあ、俺のほうは母さんが出て行ったときにいってらっしゃい言ってないんだよね。そもそも黙って出て行ったんだし。そんで何ヶ月も帰って来なくてさ、俺は就職決まっちゃったしどうすんだよとか思ってたら髪の毛だけ帰ってきてんの。え?なにこれ?母さんこれだけしか残ってないわけ?って思って初めて母さんの部屋を開けて見てみたんだよね。そしたらさ。
何にも無いの。 あれ?なんか服とか楽譜とかいろんなもんなかったっけ?って思ってあちこち探したんだけど、無いの。俺たちが勝手に母さんの物捨てたりどっかやったりするはずないからしばらくぼーっとして。そのとき初めて気付いたんだよね。ああ、母さん死にに行ったのかって。
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